シェアふぁーむの日本で1番おいしいおコメ|若者の農業

私たちシェアふぁーむは、
「日本で1番おいしいおコメを作ること」

を掲げています。

そして実は、この裏にはもう一つ大きな目的があります。

「農業に夢と希望を、そして変革を!」
日本で1番おいしいおコメをつくることで、このことを達成しようとしています。

これがわたし達の夢です。

現在の農業の実態とは?
それは、残念ながら皆様が感じている通りです。

■農業では生活していけないでしょ?
■農業って負け組でしょ?
■え? 農業? そんなのやりたくないよ

そして、これは決して現代の若者だけ・・・が感じていることではありません。
年配の方でも感じています。
もしも、自分のお子様が「農家になりたい!」と言ったら・・・、
賛成されますか? それとも反対されますか? 

そうです。
現代の農業に夢や希望など、なくなってきているのです。

私たちの活動は、まずその現実をしっかりと受け止めることから始まりました。
真実をこの目で再確認すると同時に、現状を打開するための活路を見つけ出そうと思いました。
そして、2011年に大都会を離れ、農業の世界へと足を踏み入れました。

これまでの3年間の活動を経た、現在のシェアふぁーむの視点から、農業の現状をもう少し丁寧に申し上げます。

「農業には、夢と希望に繋がる可能性が大いにあるものの、それを実現している仕組み(組織)が、とても少ない。」
「そのような仕組みさえ確立させることができれば、農業に夢と希望の芽を出すことができる」

このように考えています。

「若者が、農業をして充実した人生を送る。」
その為に必要なこと ー それが「健全な雇用」です。

農業雇用の現状と、
シェアふぁーむが目指している「雇用」


昨今、少しずつ農業を志す若者が増えてきていると認識しています。
農家の子供ではない人が、新規に就農を考えたとき、まずどこに行くでしょうか? 
農業研修を請け負っている企業に、「農業体験」として技術を学びにいくのです。

そこで、農業に従事する上で必要な技術、農業とは一体どういう世界なのか、実体験を通して学びます。
私たちも実際に様々な農業研修施設へ行きました。
しかし、そこでの生活は・・・お給料ナシで、馬車馬のように延々と働く毎日です。

まるで、「農業の厳しさ」というものを一から徹底的に教えこまれているようでもありました。
農業に夢を持つのは良いことだ!
でも現実はこれだけ厳しいんだぞ?!
それでもおまえは農業をできるのか? どうなんだ? 

無言のうちに、こう念押しをされているようでもありました。
確かに、農業は楽な仕事ではありませんから、厳しさを覚悟することは必要です。
しかし、ただ厳しい現実を若者に押しつけているだけでは、農業が抱える問題を解決することは出来ません。
そして、問題は無給であるということです。
農業研修施設で学ぶこと自体、ご家族の経済的なご支援がなければ、不可能なのです。
家族を持つ人が生活などできる状態ではありませんし、貯金がなければ、携帯料金を払うこともできません。

そして、無休の研修期間を過ぎると、その研修施設で社員として働くことになります。
そんな若者のお給料は、支給額で10万円いくかいかないか・・・。
更にそこから家賃代等差し引かれ、手元に残るのは数万円です。
しかし驚くことに、これでもまだマシなほうなのです。

その後、厳しい試練をくぐり抜けた若者が目指す場所はどこなのか?
農家として自立することは、簡単ではありません。
作物の基本的な作り方や農家の厳しさは、研修施設で教わります。
しかし、
「どうやって、農業で自立するか?」
「どうやって作物を売るか?」
「農地をどこで手当するか?」
これらについては、研修施設で全く教わることができないのです。
研修施設で農業を学んでも、農家として自立することは、遠い遠い先にあるのです。

その結果、大半の若者が、「農業で自立・・・、っていうよりも、自給自足的なスローライフを送れればいいや・・・。」という目標を設定します。
前向きなようで聞こえもいいですが、この道を選ぶしか他に選択の余地がないのです。

農業はやりたい。でも自分が農家として経済的に自立するなんて無理だろう。
経済的にもどうせ成り立たないのだから、自給自足生活を目指そう!

これでは、社会から離れようという意識が芽生え、閉鎖的な考えに移行して行きかねません。
ある種の、「世捨て人」です。
この3年間で何人も何人も何十人も・・・、そんな若者と直に触れ合ってきました・・・。

しかしもし、若者に提案できるものが、こうだったらどうでしょうか?

「最低月収18万円から。 寮完備。 随時昇給。 初心者の方も独立を目指す方も大歓迎。
一緒に楽しく農業やりませんか?」

これなら経済的に最低限の状態はクリアできます。
都心であればこのくらいの待遇は、当たり前ですよね?
そう、当たり前でいいんです!
シェアふぁーむが目指すことは何ら特別なことではなく、普通のことを普通に、
「農業という職業で」できるような仕組みを創りたい、これがシェアふぁーむの掲げている「雇用」です。

 

雇用に必要な3つの要素

1.農地

農業で雇用を作っていくためには、まず「農地」が必要です。
そして、「農地なんていくらでもあるんでしょ?」といった認識を持たれる方がほとんどだと思います。

しかし、実際に現場に飛び込むとわかるのですが、
見ず知らずの若者達に、そうそう都合よく農地など使わせてもらえないのです。
「都心から田舎に農業をしに来た。」というだけで、近隣の農家さんからは、よそ者扱いの目で見られます。

「おまえら素人だろう?」
「よそ者なんて信用できるか!」
悲しいことに、最初はこのように一蹴されて終わりです。
そして、そのように思われる農家さんの気持ちもよくわかりますよね。 
確かに、素人でよそ者です(笑)。

若者(素人)が使える農地と言えば、役場や県などが管理している土地です。
でも、整備しなければ使い物にならない耕作放棄地であったり、現場の農家さんが敢えて使わない土地(栽培に不向きである土地)であったりと・・・。
紹介を受けることのできる農地は、一癖も二癖もある場所ばかりでだったりします。
若者(素人)には、使い勝手の良い農地など、なかなか使わせもらえないのです。

現場の農家さんが安心して若者に農地を任せることができ、なおかつ経済的にも余裕があるのんびりした生活を手にして頂くためには…。
農家さんが、農業をやめても安心して生活ができるように、収入源を確保することが必要です。収入源は、若者が農地を借りた賃借料です。
ベテラン農家さんにしっかりと賃借料を払いつづけるだけの、技術とやる気が若者に求められています。

実際に我々も農地を少しずつ広げておりますが、並の努力ではダメです。
「一生を賭けてやっている!」と農家さんに認められる努力をしなければ、またそれが伝わらなければ、そして結果を出さなければ、農家さんの心を動かすことはできません。

2.仕事

農業で雇用を作っていくためには、「仕事」が必要です。
「仕事?? 農地が手に入れば、仕事なんて付いてくるんじゃないの?」
普通に考えればこうなりそうなものですが・・・、実は現代の農業には、「仕事」がないのです。

どういうことか、説明が必要だと思います。

現代の農業は「肥料・農薬・除草剤」 ― この3つによって、信じられないほど簡略化されているのです。

農家の間で使われる土地の単位に「1町歩」という言葉があります。
1町歩とは10000u(100m×100m)のことを指します。
10町歩というと、更にこの10倍ですから、100000u(500m×200m)、坪に換算すると約3万坪にもなります。20町歩であれば更に倍の6万坪です。6万坪は、実に東京ドーム5個分の広さに相当します。

そして、ベテランのコメ農家さんであれば10町歩や20町歩くらいの田んぼを、なんと1人でもできてしまうのです! 想像できますか? 6万坪といったら、ディズニーランドの約3分の1ですよ?こんな広大な土地でも、たいした人手も要らずに栽培ができてしまうのです。

「除草剤」という魔法の薬剤がこれを可能にしました。
除草剤を使えば、最も手間を要する「草取り(田んぼの雑草取り)」をする必要がなくなります。
また、田起こしも田植えも収穫も、全て機械のお仕事です。
ここまで農業自体が簡略化されてしまっては、農業そのものに人の手が必要なくなってしまいます。

では、一体どこで仕事を作ればいいのか?
その答えがシェアふぁーむの行っている米作りの中にあります。

シェアふぁーむの作る「おいしいおコメ」の栽培には、肥料、農薬、除草剤を一切使いません。
また、田んぼを下流部ではなく最上流部に限定することで、水の確保・調整にも人手が必要になります。更にはシェアふぁーむからお客様に直接おコメを届けることで、出荷作業等の仕事も生まれます。

・手間暇のかかる山間部での栽培
・手取りによる草取り作業
・土づくり作業
・お客様対応
・お客様へのおコメ出荷作業

等々、デスクワークからハードな作業まで様々ありますが、精一杯田んぼと向き合い、精一杯お客様と向き合う。一つ一つ丁寧に手間暇をかけ、愛情を込めておコメ作りをする。こうして初めて農業に「仕事」が生まれ、「雇用」が生まれるのです。

仮にシェアふぁーむが20町歩の栽培を行った場合、最低でも10名、場合によっては12〜3名ほどの雇用が必要になります。最低でも2町歩あたりに1人はいなければ、おいしいおコメの栽培は不可能です。のべ時間に換算すると、およそ通常栽培(肥料・農薬使用)の10倍程度の時間を要します。

そして秋田県は日本でも有数の米どころ。
コツコツと最上流から栽培地を広げていけば、100町歩、いずれは1000町歩といった活動も見えてきます。こうなれば雇用はもう何百人体制で構えなくてはなりませんから、自然と独立支援も必要となっていきます。

こうして「仕事」を作ることで、負の連鎖ばかりだった農業に良い循環が生まれていくのです。

3.販売

農業で雇用を作っていくために必要な最後の要素。それが「販売」です。

農家さんは通常、販売活動を一切行いません。
収穫が終わると農協がその農作物を引取りに来て、その年の相場価格に合わせて後日、自分の口座にお金が振込まれるという仕組みです。どんな職業でも販売活動というものは必須事項でありますが、驚くべきことに農家にはそれがポッカリとないのです。

その代償として、農家さんは自分の作った作物の価格を自分で決めることができません。
相場が上がれば大喜び、逆に相場が下がると頭を抱えます。

おコメの栽培で言えば、1町歩あたり農家さんの手元に残るのは50万円〜80万円程度です。2〜3町歩程度の面積ではとても生活は成り立ちません。おコメ農家さんの9割が兼業農家である(おコメだけでは生活が成り立たない)という事実が、私たちに現実を物語っています。

ゼロの状態から農業を始める場合はもっと過酷です。体が丈夫なだけではダメで、初期投資だけでも何千万、また維持費にも相当のお金が必要になります。志と共に借金を背負って一から農業を始める方もいます。

しかし、購入した機械や設備に見合うだけの栽培面積(農地)を確保することができず、収支バランスが全く合わずに挫折していく方が後を絶ちません。

事実シェアふぁーむも活動始めて2年目の末、とうとう資金が底を尽き事実上倒産まで追い込まれました。しかしそうした厳しい試練を乗り越えてきたからこそ、「おいしいおコメ」が誕生したことも事実です。

おいしいおコメの栽培には、通常栽培では到底考えられないほどの時間と労力を要します。

したがって販売価格は通常米よりも高値となってしまいますが、それだけの価値をお届けできると確信しています。

<最後に・・・、生産者からひとこと>

おいしいものを食べると人は笑顔になります。
体に良いものを食べると人は健康になります。

これからの農業に必要なものは「農家と購入者が直接の関係で結ばれる関係づくり」です。農家はお客様一人一人の言葉に耳を傾け、求めることに精一杯に応えていく。そしてお客様は、その関係にしっかりとした意味と魅力を感じて、そして健康になって頂く。

この信頼関係が農業の変革には絶対に必要なのです。

シェアふぁーむは自信を持ってお客様に「おいしいおコメ」を薦めさせて頂きます。
そして、栽培している場所や手法、人、考えに至るまで、全てを開示し透明化を保ちます。
また、お客様との直接的なお付き合いをさせて頂くために、インターネット上でのお付き合いはもちろん、現場や都心部でのイベント活動等、様々なことを思案中でございます。

既存の農家様も、
私たち生産者も、
召し上がって頂く購入者様も、

誰一人不幸になることなく、社会全体で農業を支える。
舞台の主役はシェアふぁーむではありません。全ての国民の皆様が主役になることで、農業は支えられていくもの、支えられていくべきものだと思います。